今回はある「ワークシート」から行データを順次読み込み、別の「ワークシート」に行データ追加を行う方法について説明したいと思います。
■XLSXの読込・書込クラスを使用したワークシートのコピー
今回の処理では「XLSX読込クラス」の内部に持っているワークシートを順次取得する getSheetIterator() 関数(イテレータ)を使用します。 この関数を foreach 文で呼出すことでワークシートのオブジェクトが取得できます。
そのワークシートのオブジェクトの内部に持っている行データを順次取得する getRowIterator() 関数(イテレータ)を使用します。 この関数を foreach 文で呼出すことで行データのオブジェクトが取得できます。
その後、行データのオブジェクトがNULLの場合には、空の行データを生成し、XLSX書込クラスへの行追加を行います。 NULLではない場合にはそのままXLSX書込クラスへの行追加を行います。
<?php
require '../vendor/autoload.php';
use Box\Spout\Writer\Common\Creator\WriterEntityFactory;
use Box\Spout\Reader\Common\Creator\ReaderEntityFactory;
// XLSX読込クラス生成
$strReadFile = 'test6-1.xlsx';
$reader = ReaderEntityFactory::createReaderFromFile($strReadFile);
// 空行の読み込み許可
$reader->setShouldPreserveEmptyRows(true);
// 読み込み
$reader->open($strReadFile);
// XLSX書込クラス生成
$writer = WriterEntityFactory::createXLSXWriter();
$writer->openToFile('test6-1-New.xlsx');
// 全てのワークシートを取得
foreach($reader->getSheetIterator() as $sheet) {
// ワークシートの全行を取得
foreach($sheet->getRowIterator() as $row) {
if (empty($row)) {
// 空行の場合
$emptyRow = WriterEntityFactory::createRowFromArray([]);
$writer->addRow($emptyRow);
} else {
// 読込行の書込みへの追加
$writer->addRow($row);
}
}
}
// XLSX読込・書込クラスクローズ
$reader->close();
$writer->close();
?>
出力されたエクセルファイルを見てみると以下の様になります。
左側が読込んだエクセルで、右側が新たに書込んだエクセルです。 2行目、5行目が空白行ですが、右側のエクセルはその行が若干幅が狭くなっている様です。
これは読込んだ時の行データがNULLなので空行を作成した時にデフォルトの縦幅が設定された様です。 このあたりは改良の余地が在るかも知れません。
■XLSXの読込・書込クラスを使用したワークシートのコピーその2
以下のプログラムでは、上で説明した行データがNULLの場合に空行を作成して新規のエクセルに追加する部分ですが、 以下のソースの様に array_map() 関数で置き換えができます。
<?php
require '../vendor/autoload.php';
use Box\Spout\Writer\Common\Creator\WriterEntityFactory;
use Box\Spout\Reader\Common\Creator\ReaderEntityFactory;
// XLSX読込クラス生成
$strReadFile = 'test6-1.xlsx';
$reader = ReaderEntityFactory::createReaderFromFile($strReadFile);
// 空行の読み込み許可
$reader->setShouldPreserveEmptyRows(true);
// 読み込み
$reader->open($strReadFile);
// XLSX書込クラス生成
$writer = WriterEntityFactory::createXLSXWriter();
$writer->openToFile('test6-1-New2.xlsx');
// 全てのワークシートを取得
foreach($reader->getSheetIterator() as $sheet) {
// ワークシートの全行を取得
foreach($sheet->getRowIterator() as $row) {
// [$row]がNULLの場合を考慮し、セル値の配列生成
$cellValues = array_map(function($cell) {
return $cell->getValue();
}, $row->getCells());
// セル値の配列から行データ生成
$newRow = WriterEntityFactory::createRowFromArray($cellValues);
// 書込みへの追加
$writer->addRow($newRow);
}
}
// XLSX読込・書込クラスクローズ
$reader->close();
$writer->close();
?>
出力されたエクセルファイルは最初の場合と同様となります。
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