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画像ファイルをHTMLに記述して拡大表示を行う場合に良く使う「LightBox2」で、 プロトタイプでの関数宣言で最近はまったので忘備録的に記載します。
「LightBox2」自体の使い方は難しくなく、以下の様な感じでHTMLを作れば画像の拡大表示ができます。■LightBox2の例
<!DOCTYPE html> <head> <link href="./js/lightbox2-2.11.4/css/lightbox.min.css" rel="stylesheet"> <script type="text/javascript" src="./js/jquery-3.6.0/jquery-3.6.0.min.js"></script> <script type="text/javascript" src="./js/lightbox2-2.11.4/js/lightbox-plus-jquery.min.js"></script> <script> // lightbox start $(function() { lightbox.option({ "positionFromTop": 150, }); }); </script> </head> <body> <h4>LightBox2テスト</h4> <a href="./example1.jpg" data-lightbox="album" > <img src="./example1.jpg" id="" width="100" > </a> <a href="./example2.jpg" data-lightbox="album" > <img src="./example2.jpg" id="" width="100" > </a> <a href="./example3.png" data-lightbox="album" > <img src="./example3.png" id="" width="100" > </a> </body> </html>
上のHTMLでは何も問題は無いのですが、ここに以下の Javascript ファイルを読込んで、 そのファイル内の関数を呼出した時にエラーが発生しました。■Javascriptの例(test.js とする)
(function($) { $.fnc = {}; $.fnc.test = function () { // ただ単に"test"を表示させる alert("test"); }; })(jQuery);
それでは、先ほどのHTMLファイルに上記の「test.js」を追加してみます。■LightBox2の例・その2
<!DOCTYPE html> <head> <link href="./js/lightbox2-2.11.4/css/lightbox.min.css" rel="stylesheet"> <script type="text/javascript" src="./js/jquery-3.6.0/jquery-3.6.0.min.js"></script> <script type="text/javascript" src="./js/test.js"></script> <script type="text/javascript" src="./js/lightbox2-2.11.4/js/lightbox-plus-jquery.min.js"></script> <script> // lightbox start $(function() { lightbox.option({ "positionFromTop": 150, }); }); // test display $.fnc.test(); </script> </head> <body> <h4>LightBox2テスト</h4> <a href="./example1.jpg" data-lightbox="album" > <img src="./example1.jpg" id="" width="100" > </a> <a href="./example2.jpg" data-lightbox="album" > <img src="./example2.jpg" id="" width="100" > </a> <a href="./example3.png" data-lightbox="album" > <img src="./example3.png" id="" width="100" > </a> </body> </html>
このファイルをブラウザで開いても、「alert("test");」の実行が行われませんでした。
Chromeのデベロッパーツールでソースを開いて上記の16行目でブレイクさせると、「$.fnc」は「undefined」となっていました。 「undefined」なので当然「$.fnc.test();」は実行不可能でした。
「lightbox2」のJavascriptを読込むと、どうも「JQuery」のプロパティ(この表現が正しいかどうかも分かりませんが)がクリアされる様です。
それならばと「test.js」ファイルの読込を「lightbox2」の後に持ってきたら、「$.fnc.test();」が実行されアラートが表示されました。
少し、便宜的な方法かもしれませんが、何かの参考になればと思い記事を書きました。
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今回はある「ワークシート」から行データを順次読み込み、別の「ワークシート」にあるセルにセルデータを追加し、行データ追加を行う方法について説明したいと思います。
■XLSXの読込・書込クラスを使用したワークシートのコピー・セルデータを追加
今回の処理では「XLSX読込クラス」の内部に持っているワークシートを順次取得する getSheetIterator() 関数(イテレータ)を使用します。 この関数を foreach 文で呼出すことでワークシートのオブジェクトが取得できます。
そのワークシートのオブジェクトの内部に持っている行データを順次取得する getRowIterator() 関数(イテレータ)を使用します。 この関数を foreach 文で呼出すことで行データのオブジェクトが取得できます。
その後、行データのオブジェクトがNULLの場合には、空の行データを生成し、XLSX書込クラスへの行追加を行います。 NULLではない場合にはそのままXLSX書込クラスへの行追加を行います。
その行データからセルデータオブジェクト配列を取得し、その配列からを順次カラムデータとして取り出すために array_map() 関数で行います。 結果としてデータの配列が生成されます。
生成されたデータの配列から新規の追加用行データオブジェクトを作成します。 行データオブジェクトの setCellAtIndex($cell, $Index) 関数でセルデータの設定(置き換え)ができます。
<?php require '../vendor/autoload.php'; use Box\Spout\Writer\Common\Creator\WriterEntityFactory; use Box\Spout\Reader\Common\Creator\ReaderEntityFactory; // XLSX読込クラス生成 $strReadFile = 'test7-1.xlsx'; $reader = ReaderEntityFactory::createReaderFromFile($strReadFile); // 空行の読み込み許可 $reader->setShouldPreserveEmptyRows(true); // 読み込み $reader->open($strReadFile); // XLSX書込クラス生成 $writer = WriterEntityFactory::createXLSXWriter(); $writer->openToFile('test7-1-New.xlsx'); // 全てのワークシートを取得 foreach($reader->getSheetIterator() as $sheet) { // ワークシートの全行を取得 foreach($sheet->getRowIterator() as $row) { // [$row]がNULLの場合を考慮し、セル値の配列生成 $cellValues = array_map(function($cell) { return $cell->getValue(); }, $row->getCells()); // セル値の配列から行データ生成 $newRow = WriterEntityFactory::createRowFromArray($cellValues); // 新規追加するセルデータ生成 $newCell = WriterEntityFactory::createCell('A001'); // セルデータ設定 $newRow->setCellAtIndex($newCell, 5); // 書込みへの追加 $writer->addRow($newRow); } } // XLSX読込・書込クラスクローズ $reader->close(); $writer->close(); ?>
出力されたエクセルファイルを見てみると以下の様になります。
左側が読込んだエクセルで、右側が新たに書込んだエクセルです。 6番目のセルに「'A001'」が設定されたことが分かります。
■XLSXの読込・書込クラスを使用したワークシートのコピー・データ行を指定してセルデータを追加
ワークシートのオブジェクトの内部に持っている行データを順次取得する getRowIterator() 関数(イテレータ)ではキーとして、行Indexを返すことができます。 この行Indexを判定すれば、意図した行にのみ処理が可能となります。<?php require '../vendor/autoload.php'; use Box\Spout\Writer\Common\Creator\WriterEntityFactory; use Box\Spout\Reader\Common\Creator\ReaderEntityFactory; // XLSX読込クラス生成 $strReadFile = 'test7-1.xlsx'; $reader = ReaderEntityFactory::createReaderFromFile($strReadFile); // 空行の読み込み許可 $reader->setShouldPreserveEmptyRows(true); // 読み込み $reader->open($strReadFile); // XLSX書込クラス生成 $writer = WriterEntityFactory::createXLSXWriter(); $writer->openToFile('test7-2-New.xlsx'); // 全てのワークシートを取得 foreach($reader->getSheetIterator() as $sheet) { // ワークシートの全行を取得 foreach ($sheet->getRowIterator() as $rowIndex => $row) { // [$row]がNULLの場合を考慮し、セル値の配列生成 $cellValues = array_map(function($cell) { return $cell->getValue(); }, $row->getCells()); // セル値の配列から行データ生成 $newRow = WriterEntityFactory::createRowFromArray($cellValues); // 行が2行目と5行目のみ処理 if ($rowIndex == 2 || $rowIndex == 5) { $cell = WriterEntityFactory::createCell('A001'); $newRow->setCellAtIndex($cell, 5); } // 書込みへの追加 $writer->addRow($newRow); } } // XLSX読込・書込クラスクローズ $reader->close(); $writer->close(); ?>
出力されたエクセルファイルを見てみると以下の様になります。 2行目と5行目のみにセルデータが設定されています。
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今回はある「ワークシート」から行データを順次読み込み、別の「ワークシート」に行データ追加を行う方法について説明したいと思います。
■XLSXの読込・書込クラスを使用したワークシートのコピー
今回の処理では「XLSX読込クラス」の内部に持っているワークシートを順次取得する getSheetIterator() 関数(イテレータ)を使用します。 この関数を foreach 文で呼出すことでワークシートのオブジェクトが取得できます。
そのワークシートのオブジェクトの内部に持っている行データを順次取得する getRowIterator() 関数(イテレータ)を使用します。 この関数を foreach 文で呼出すことで行データのオブジェクトが取得できます。
その後、行データのオブジェクトがNULLの場合には、空の行データを生成し、XLSX書込クラスへの行追加を行います。 NULLではない場合にはそのままXLSX書込クラスへの行追加を行います。
<?php require '../vendor/autoload.php'; use Box\Spout\Writer\Common\Creator\WriterEntityFactory; use Box\Spout\Reader\Common\Creator\ReaderEntityFactory; // XLSX読込クラス生成 $strReadFile = 'test6-1.xlsx'; $reader = ReaderEntityFactory::createReaderFromFile($strReadFile); // 空行の読み込み許可 $reader->setShouldPreserveEmptyRows(true); // 読み込み $reader->open($strReadFile); // XLSX書込クラス生成 $writer = WriterEntityFactory::createXLSXWriter(); $writer->openToFile('test6-1-New.xlsx'); // 全てのワークシートを取得 foreach($reader->getSheetIterator() as $sheet) { // ワークシートの全行を取得 foreach($sheet->getRowIterator() as $row) { if (empty($row)) { // 空行の場合 $emptyRow = WriterEntityFactory::createRowFromArray([]); $writer->addRow($emptyRow); } else { // 読込行の書込みへの追加 $writer->addRow($row); } } } // XLSX読込・書込クラスクローズ $reader->close(); $writer->close(); ?>
出力されたエクセルファイルを見てみると以下の様になります。
左側が読込んだエクセルで、右側が新たに書込んだエクセルです。 2行目、5行目が空白行ですが、右側のエクセルはその行が若干幅が狭くなっている様です。
これは読込んだ時の行データがNULLなので空行を作成した時にデフォルトの縦幅が設定された様です。 このあたりは改良の余地が在るかも知れません。
■XLSXの読込・書込クラスを使用したワークシートのコピーその2
以下のプログラムでは、上で説明した行データがNULLの場合に空行を作成して新規のエクセルに追加する部分ですが、 以下のソースの様に array_map() 関数で置き換えができます。<?php require '../vendor/autoload.php'; use Box\Spout\Writer\Common\Creator\WriterEntityFactory; use Box\Spout\Reader\Common\Creator\ReaderEntityFactory; // XLSX読込クラス生成 $strReadFile = 'test6-1.xlsx'; $reader = ReaderEntityFactory::createReaderFromFile($strReadFile); // 空行の読み込み許可 $reader->setShouldPreserveEmptyRows(true); // 読み込み $reader->open($strReadFile); // XLSX書込クラス生成 $writer = WriterEntityFactory::createXLSXWriter(); $writer->openToFile('test6-1-New2.xlsx'); // 全てのワークシートを取得 foreach($reader->getSheetIterator() as $sheet) { // ワークシートの全行を取得 foreach($sheet->getRowIterator() as $row) { // [$row]がNULLの場合を考慮し、セル値の配列生成 $cellValues = array_map(function($cell) { return $cell->getValue(); }, $row->getCells()); // セル値の配列から行データ生成 $newRow = WriterEntityFactory::createRowFromArray($cellValues); // 書込みへの追加 $writer->addRow($newRow); } } // XLSX読込・書込クラスクローズ $reader->close(); $writer->close(); ?>
出力されたエクセルファイルは最初の場合と同様となります。
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前回までは「ワークシート」のことを気にせず、カラムデータ生成から行データを作成し「ワークシート」に追加していました。
今回は複数の「ワークシート」の追加などについて説明したいと思います。
■XLSX書込クラスのワークシート関連関数
XLSX書込クラスのクラスには以下の様な、ワークシートに関連した関数があります。
関数 戻り値 備考 getCurrentSheet() ワークシート
オブジェクトカレントのワークシートオブジェクトを返す addNewSheetAndMakeItCurrent() ワークシート
オブジェクト新規のワークシートを生成しカレントのワークシートオブジェクト
として返すsetCurrentSheet($sheet)
$sheet : ワークシートなし 指定されたワークシートをカレントのワークシートとする getSheets() ワークシート
オブジェクト配列ワークブックの全てのワークシートオブジェクトを配列として返す
これらの関数の使い方ですが「XLSX書込クラス」を生成し、オブジェクト変数に設定しますが このオブジェクトが処理対象としているのはカレントシートです。
そのカレントシートを変更することで、行データ等の追加されるワークシートが変わります。
以下の例では createXLSXWriter 関数で「XLSX書込クラス」を生成しカレントのワークシートに行データを追加しています。 このクラス生成直後は最初の1つのワークシートを生成し、そのワークシートがカレントになります。
その後 addNewSheetAndMakeItCurrent 関数でワークシートを追加していますが、 この時点でカレントワークシートが追加されたものになります。 その後で addRow 関数で処理すると追加のワークシートに行データが反映されます。<?php // 利用クラスエイリアスなどの宣言は省略... // XLSX書込クラス生成 $writer = WriterEntityFactory::createXLSXWriter(); // 書込みファイル指定 $writer->openToFile('testaaa.xlsx'); // セルデータ $cells = [ WriterEntityFactory::createCell('A001'), WriterEntityFactory::createCell('B002'), WriterEntityFactory::createCell('C003'), ]; // 行データ $row = WriterEntityFactory::createRow($cells); // カレントシートへの書込み $writer->addRow($row); // シートを追加しカレントシートにする $sheetNew = $writer->addNewSheetAndMakeItCurrent(); // 追加シートに行データ追加 $writer->addRow($row); // エクセルファイルの書込 $writer->close(); ?>
■XLSX書込クラスのワークシート関連関数を使用した簡単な例
以下のプログラムでは、「行データ1」と「行データ2」を生成し、最初のワークシートに「行データ1」を追加します。 その後、新規ワークシートを追加し「行データ2」を追加します。 さらにカレントのワークシートを最初のシートに切り替えて「行データ2」を追加します。<?php require '../vendor/autoload.php'; // 利用クラスエイリアス use Box\Spout\Writer\Common\Creator\WriterEntityFactory; use Box\Spout\Common\Entity\Style\Border; use Box\Spout\Writer\Common\Creator\Style\BorderBuilder; use Box\Spout\Writer\Common\Creator\Style\StyleBuilder; use Box\Spout\Common\Entity\Style\CellAlignment; use Box\Spout\Common\Entity\Style\Color; // XLSX書込クラス生成 $writer = WriterEntityFactory::createXLSXWriter(); // XLSX書込クラスへのデフォルトスタイル $defaultStyle = (new StyleBuilder()) ->setFontName('MS ゴシック') ->setFontSize(14) ->build(); // XLSX書込クラスへのデフォルトスタイル $writer->setDefaultRowStyle($defaultStyle); // 書込みファイル指定 $writer->openToFile('test5-1.xlsx'); // セルデータ1 $cells1 = [ WriterEntityFactory::createCell('A001'), WriterEntityFactory::createCell('B002'), WriterEntityFactory::createCell('C003'), ]; // 行データ1 $row1 = WriterEntityFactory::createRow($cells1); // セルデータ2 $cells2 = [ WriterEntityFactory::createCell('aaa001'), WriterEntityFactory::createCell('bbb002'), WriterEntityFactory::createCell('ccc003'), ]; // 行データ2 $row2 = WriterEntityFactory::createRow($cells2); // 最初のカレントシート $sheet1 = $writer->getCurrentSheet(); // シート名設定 $sheet1->setName('テスト1'); // カレントシート($sheet1)に[行データ1]追加 $writer->addRow($row1); // シートを追加しカレントシートにする // (ここで[$writer]は追加シートに対しての処理となる) $sheet2 = $writer->addNewSheetAndMakeItCurrent(); // シート名設定 $sheet2->setName('テスト2'); // カレントシート($sheet2)に[行データ2]追加 $writer->addRow($row2); // カレントシートを最初のシートに戻す $writer->setCurrentSheet($sheet1); // 最初のシートに[行データ2]追加 $writer->addRow($row2); // エクセルファイルの書込 $writer->close(); ?>
出力されたエクセルファイルを見てみると以下の様になります。
最初のシートに「行データ1」「行データ2」が書き込まれ、2番目のシートには「行データ2」が書き込まれていることが分かります。■複数のワークシートの処理の例
以下の例では createXLSXWriter 関数で「XLSX書込クラス」を生成しカレントのワークシートを取得しています。
その後 addNewSheetAndMakeItCurrent 関数でワークシートを2個追加します。
全てのワークシートを getSheets 関数で取得し setCurrentSheet 関数でカレントのワークシートを変更しながら 行データを追加しています。
<?php require '../vendor/autoload.php'; // 利用クラスエイリアス use Box\Spout\Writer\Common\Creator\WriterEntityFactory; use Box\Spout\Common\Entity\Style\Border; use Box\Spout\Writer\Common\Creator\Style\BorderBuilder; use Box\Spout\Writer\Common\Creator\Style\StyleBuilder; use Box\Spout\Common\Entity\Style\CellAlignment; use Box\Spout\Common\Entity\Style\Color; // XLSX書込クラス生成 $writer = WriterEntityFactory::createXLSXWriter(); // XLSX書込クラスへのデフォルトスタイル $defaultStyle = (new StyleBuilder()) ->setFontName('MS ゴシック') ->setFontSize(14) ->build(); // XLSX書込クラスへのデフォルトスタイル $writer->setDefaultRowStyle($defaultStyle); // 書込みファイル指定 $writer->openToFile('test5-2.xlsx'); // セルデータ1 $cells1 = [ WriterEntityFactory::createCell('A001'), WriterEntityFactory::createCell('B002'), WriterEntityFactory::createCell('C003'), ]; // 行データ $row1 = WriterEntityFactory::createRow($cells1); // 最初のカレントシート $sheet1 = $writer->getCurrentSheet(); // 2個のシート追加 $sheet2 = $writer->addNewSheetAndMakeItCurrent(); $sheet3 = $writer->addNewSheetAndMakeItCurrent(); // 全てのシートの取得 $sheets = $writer->getSheets(); foreach($sheets as $sheet) { // カレントシートの設定 $writer->setCurrentSheet($sheet); // 行データを追加 $writer->addRow($row1); } // エクセルファイルの書込 $writer->close(); ?>
出力されたエクセルファイルを見てみると以下の様になります。
3つのシートに同じ行データが書き込まれていることが分かります。
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前回の以下の記事で「エクセル出力・セルスタイル設定」を紹介しましたが、今回はさらにセルのボーダー(枠線)設定について説明したいと思います。
⇒PHP Spoutを使用してエクセル出力・セルスタイル設定の方法について
■セルデータへのボーダー(枠線)のスタイル設定について
ボーダー(枠線)のスタイル設定を行うために、ボーダークラスを生成し、そのオブジェクトをスタイルクラスに設定します。
ボーダークラスは BorderBuilder を生成し、そのクラスのボーダーの「上、右、下、左」に対して設定を行います。 ボーダーの「上、右、下、左」に対して別々の関数が用意されていますが、引数は全て同じです。// setBorderTop宣言 public function setBorderTop($color = Color::BLACK, $width = Border::WIDTH_MEDIUM, $style = Border::STYLE_SOLID) // $color : ボーダーカラー (カラー宣言もしくはRGB値指定:デフォルトは黒) // $width : ボーダー幅 (デフォルトはWIDTH_MEDIUM) // $style : ボーダースタイル(デフォルトはSTYLE_SOLID) //「以下の関数の引数も同様」 // setBorderRight宣言 public function setBorderRight($color = Color::BLACK, $width = Border::WIDTH_MEDIUM, $style = Border::STYLE_SOLID) // setBorderBottom宣言 public function setBorderBottom($color = Color::BLACK, $width = Border::WIDTH_MEDIUM, $style = Border::STYLE_SOLID) // setBorderLeft宣言 public function setBorderLeft($color = Color::BLACK, $width = Border::WIDTH_MEDIUM, $style = Border::STYLE_SOLID)
実際には BorderBuilder でボーダーを生成し、ボーダー設定を行ってから build 関数でボーダー値を作成します。
そのボーダー値を StyleBuilder クラスを生成したものに setBorder 関数で設定を行ってから build 関数でスタイル値を作成します。
以下の様な感じです。use Box\Spout\Common\Entity\Style\Border; use Box\Spout\Writer\Common\Creator\Style\BorderBuilder; use Box\Spout\Writer\Common\Creator\Style\StyleBuilder; // BorderBuilderでボーダー生成(ボーダー「上」のみ設定:「青色」「細い幅」「実線」) $border = (new BorderBuilder()) ->setBorderTop(Color::BLUE, Border::WIDTH_THICK, Border::STYLE_SOLID) ->build(); // StyleBuilderでスタイル生成 $style = (new StyleBuilder()) ->setBorder($border) ->build();
■セルデータへのボーダー・スタイル設定による簡単な例
以下のプログラムでは、 BorderBuilder クラスを生成し「上、右、下」のボーダーには「カラー:青(宣言値)、幅:太い、線種:実線」の設定を行っています。 また、「左」のみ「カラー」設定で rgb() 関数で「red、green、blue」の値を設定します。
このボーダー値を StyleBuilder で生成されたスタイルに設定しています。<?php require '../vendor/autoload.php'; // 利用クラスエイリアス use Box\Spout\Writer\Common\Creator\WriterEntityFactory; use Box\Spout\Common\Entity\Style\Border; use Box\Spout\Writer\Common\Creator\Style\BorderBuilder; use Box\Spout\Writer\Common\Creator\Style\StyleBuilder; use Box\Spout\Common\Entity\Style\CellAlignment; use Box\Spout\Common\Entity\Style\Color; // XLSX書込クラス生成 $writer = WriterEntityFactory::createXLSXWriter(); // 書込みファイル指定 $writer->openToFile('test4-1.xlsx'); // ボーダー生成 $border = (new BorderBuilder()) ->setBorderTop(Color::BLUE, Border::WIDTH_THICK, Border::STYLE_SOLID) ->setBorderRight(Color::BLUE, Border::WIDTH_THICK, Border::STYLE_SOLID) ->setBorderBottom(Color::BLUE, Border::WIDTH_THICK, Border::STYLE_SOLID) ->setBorderLeft(Color::rgb(255, 0, 0), Border::WIDTH_THICK, Border::STYLE_SOLID) ->build(); // StyleBuilderでスタイル生成 $style1 = (new StyleBuilder()) ->setFontName('MS ゴシック') ->setBorder($border) ->setFontSize(15) ->setFontColor(Color::BLUE) ->build(); $style2 = (new StyleBuilder()) ->setFontName('MS ゴシック') ->setBorder($border) ->setFontSize(15) ->setFontColor(Color::RED) ->build(); $style3 = (new StyleBuilder()) ->setFontName('MS ゴシック') ->setBorder($border) ->setFontSize(15) ->setFontColor(Color::GREEN) ->build(); // セルデータ $cells = [ WriterEntityFactory::createCell('A001', $style1), WriterEntityFactory::createCell('B002', $style2), WriterEntityFactory::createCell('C003', $style3), ]; // 行データ $singleRow = WriterEntityFactory::createRow($cells); // 行データを3行追加 $writer->addRow($singleRow); $writer->addRow($singleRow); $writer->addRow($singleRow); // エクセルファイルの書込 $writer->close(); ?>
出力されたエクセルファイルを見てみると以下の様になります。
各セルの左側の枠線が赤色に設定されたことが分かります。■行データへのボーダー・スタイル設定を追加した例
行データの生成は WriterEntityFactory::createRow() 関数で行いますがこの関数の第2引数にはスタイルの設定値を指定できます。// createRow宣言 public static function createRow(array $cells = [], Style $rowStyle = null) // $cells : セルデータ配列 // $rowStyle : 行スタイル(デフォルトはNULL)
以下のプログラムでは、行スタイル設定で StyleBuilder クラスを生成しボーダーのみのスタイルを生成します。 このスタイルを行データに対して設定します。
<?php require '../vendor/autoload.php'; // 利用クラスエイリアス use Box\Spout\Writer\Common\Creator\WriterEntityFactory; use Box\Spout\Common\Entity\Style\Border; use Box\Spout\Writer\Common\Creator\Style\BorderBuilder; use Box\Spout\Writer\Common\Creator\Style\StyleBuilder; use Box\Spout\Common\Entity\Style\CellAlignment; use Box\Spout\Common\Entity\Style\Color; // XLSX書込クラス生成 $writer = WriterEntityFactory::createXLSXWriter(); // 書込みファイル指定 $writer->openToFile('test4-2.xlsx'); // ボーダー生成 $border = (new BorderBuilder()) ->setBorderTop(Color::BLUE, Border::WIDTH_THICK, Border::STYLE_SOLID) ->setBorderRight(Color::BLUE, Border::WIDTH_THICK, Border::STYLE_SOLID) ->setBorderBottom(Color::BLUE, Border::WIDTH_THICK, Border::STYLE_SOLID) ->setBorderLeft(Color::rgb(255, 0, 0), Border::WIDTH_THICK, Border::STYLE_SOLID) ->build(); // StyleBuilderでスタイル生成 $style = (new StyleBuilder()) ->setBorder($border) ->build(); // セルデータ $cells = [ WriterEntityFactory::createCell('A001'), WriterEntityFactory::createCell('B002'), WriterEntityFactory::createCell('C003'), ]; // 行データ(スタイル設定付加) $singleRow = WriterEntityFactory::createRow($cells, $style); // 行データを3行追加 $writer->addRow($singleRow); $writer->addRow($singleRow); $writer->addRow($singleRow); // エクセルファイルの書込 $writer->close(); ?>
これを実行すると以下の様になります。
フォント名、フォントサイズ設定は行っていないので spout のデフォルト値「Calibri」になっているので、上の方の例より文字が小さい感じです。
なお、次の項目ではシート全体にフォント設定を行って「Calibri」を「MS ゴシック」にします。■シート全体にスタイル設定を行う
シート全体にスタイル設定を行うには BorderBuilder クラスを生成し各種のスタイルを設定した スタイルオブジェクトを XLSX書込クラス の setDefaultRowStyle 関数で設定します。
<?php require '../vendor/autoload.php'; // 利用クラスエイリアス use Box\Spout\Writer\Common\Creator\WriterEntityFactory; use Box\Spout\Common\Entity\Style\Border; use Box\Spout\Writer\Common\Creator\Style\BorderBuilder; use Box\Spout\Writer\Common\Creator\Style\StyleBuilder; use Box\Spout\Common\Entity\Style\CellAlignment; use Box\Spout\Common\Entity\Style\Color; // XLSX書込クラス生成 $writer = WriterEntityFactory::createXLSXWriter(); // XLSX書込クラスへのデフォルトスタイル $defaultStyle = (new StyleBuilder()) ->setFontName('MS ゴシック') ->setFontSize(14) ->build(); // XLSX書込クラスへのデフォルトスタイル $writer->setDefaultRowStyle($defaultStyle); // 書込みファイル指定 $writer->openToFile('test4-3.xlsx'); // ボーダー生成 $border = (new BorderBuilder()) ->setBorderTop(Color::BLUE, Border::WIDTH_THICK, Border::STYLE_SOLID) ->setBorderRight(Color::BLUE, Border::WIDTH_THICK, Border::STYLE_SOLID) ->setBorderBottom(Color::BLUE, Border::WIDTH_THICK, Border::STYLE_SOLID) ->setBorderLeft(Color::rgb(255, 0, 0), Border::WIDTH_THICK, Border::STYLE_SOLID) ->build(); // StyleBuilderでスタイル生成 $style = (new StyleBuilder()) ->setBorder($border) ->build(); // セルデータ $cells = [ WriterEntityFactory::createCell('A001'), WriterEntityFactory::createCell('B002'), WriterEntityFactory::createCell('C003'), ]; // 行データ $singleRow = WriterEntityFactory::createRow($cells, $style); // 行データを3行追加 $writer->addRow($singleRow); $writer->addRow($singleRow); $writer->addRow($singleRow); // エクセルファイルの書込 $writer->close(); ?>
これを実行すると以下の様になります。
先ほどのフォントとは異なるので、表示される文字の雰囲気が変わっています。 また、現在の「A5」セルのフォントはエクセルのメニューリボンに「MS ゴシック」とフォント名が表示されています。